忍者ブログ
私、藤乃 夜舞(ふじの やまい)からの、ささやかな恐怖をお楽しみください

- 作品 -

 降霊   延命の湯   夢の終わり 

- リンク -

 小説家になろう   JRANK ブログランキング   人気ブログランキング   FC2 ブログ★ランキング   にほんブログ村 小説ブログ   HONナビ   怖いサイト.com 

当サイトはリンクフリーです。相互リンクのお申込みはメールフォームよりお願いいたします。

| Admin | Write | Comment |
藤乃 夜舞(ふじの やまい)

- 作品 -

降霊
延命の湯
夢の終わり


- メールフォーム -

コメント
トラックバック
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

奇妙な夢を見るようになったのは半年ほど前からだった。

私はいつものように駅から我が家に向かう途中の公園を歩いている。
駅から自宅までは五キロメートル弱あり、通勤には住宅街の幹線道路を走るバスを使っていた。
しかし年々すすんでいる体の衰えを自覚できるようになってきたので、通勤時には最寄駅と自宅の間を自分の足で歩くことにした。

学生の頃は陸上競技の中距離選手として、それなりには活躍した。
しかし社会人になってからは一日中パソコンとにらめっこの生活を続けてきたのだから体も鈍る。
休日でも仕事とプライベートとは関係なくパソコンの前に居座ることが多い。
近年の健康診断の結果は、なにかの冗談かと思うような酷い数値が並んでいる。
妻から運動を再開することを強く勧められていたこともあり、最寄駅まで歩き始めることにした。

バスの経路を辿って歩くと住宅街の中央に陣取った巨大な公園の外周をぐるりと迂回することになる。
これだと、かなり遠回りなコースとなるので公園を突っ切って通るコースを歩く。

春は新緑の勢いを感じ、夏は草樹の成長に驚き、秋は枯れ葉に儚さを知り、冬は雪景色の真白な統一に魅せられる。
そういった四季折々の情景に五感で触れていると、不思議と精神的な余裕すら生まれてくるようだ。
心なしか若返ったような気までしてくるものである。

しかし、その日は何かが違っていた。
いつもの公園の並木道を我が家に向かって歩いている。
だが、いつもとは何か様子が違っていた。
けれども何が違うのかがわからない。

立ち止まり周囲を見回す。
やはり何も変わっているようには思えない。

少し先に見えるペンキの色も褪せたベンチ。
その傍らにある大きなメッシュの白い屑入れ。
公園の景観を損ねない為の配慮からか、少なすぎるとも思える街灯。
左手の奥には野球場のバックスクリーンが見え、右手には緑色のフェンスが公園と住宅街との境界を誇示している。

何も増えてはいないし何も減ってはいない。
なのに何か奇妙な胸騒ぎのような違和感を感じるのだ。


http://syosetu.com/g.php?c=W9968C
PR
この記事にコメントする
NAME:
TITLE:
MAIL:
URL:
COMMENT:
PASS: Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする
≪ Back  │HOME│  Next ≫

[14] [13] [12] [11] [10] [9] [8] [7] [6]

Copyright c - チョットしたホラー小説など -。。All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog / Material By 御伽草子 / Template by カキゴオリ☆
忍者ブログ [PR]